ガイドさんって、なにを話してくれるんですか?

新書Ⅲ 奥入瀬でネイチャーガイドが語ること

NEW!! 2025年5月中旬発売予定

(2025年4月発行)

奥入瀬に〈野外博物館〉という新たなブランドを構築し、エコツーリズムの隆盛をはかる―そのためには自然を読み解く楽しさを伝え、潜在的な関心層を〈覚醒〉させる役割を担うネイチャーガイドの存在が不可欠です。本書は、奥入瀬ガイドツアーの一部始終を収録、現地で実際にどのような案内をしているのかをテキスト化した画期的な一冊であると同時に、これからガイドを目指そうという人にとっては他に類のない教本となっています。歩くだけ・流し見するだけの観光地から、「観る」を味わう野外博物館を目指すための新書シリーズ第三弾!

 

新書版:336ページ

 

フィールドミュージアム新書Ⅲ

魅力の《本質》を解き明かす、新感覚ガイド第3弾!

  • 在庫切れ

第一部 奥入瀬でネイチャーガイドが目指すもの

デザイン&ストーリー&スタイル/ストーリーを語ることこそガイドの真骨頂/伝わらなければ意味がない/ゲストがどんな季節に来られても/真のガイドは現状に満足することはない/通り過ぎていくビジターの脚をどう止めるか

 

第二部 奥入瀬でネイチャーガイドが語ること

 

第一回 藤原つや子

奥羽山脈の北端です/日本で三番目に深い湖なんです/どうして「ねのくち」と呼ばれるのか/縄文時代の大洪水/十和田湖って、実はあんなに高いところにあるんです/お餅そのものには、あんまり味がない/「ああッ、クルミだッ」/あま~い匂いの理由はナゾ/男のスネ毛/猪の手は〈さかさまの毛〉/わかりやすい十文字形/宝塚みたいな/「オオタニワタリの親戚ですか?」/両面オーケー/獅子舞の歯/姥って、おばあさんのことです/別名はアオジクマユミ/お歯黒の素/ハイイヌガヤはどうして実を枝の裏側に付けるのか/花筏/ミソサザイの声、カワガラスの声/コケが森を育ててきた/ブナという字に、どういう漢字をあてたらよいと思いますか/模様じゃなくて、チイルイっていうんです/栄養を貯めている時にはメスになります/巌ごとに、苔あり木ある川中の千島

 

第二回 志田まつ子

いいえ、逆ですよ/知らず知らずのうちに一〇〇メートル登っちゃう/清らかな流れでしか見られない花なんです/樹のカタチを光との関係で観察してみる/樹は、どんなふうに枝葉を伸ばしているか/こんな小さな芽の中に、葉っぱが格納されているなんて/これ、ぜんぶ親木のクローンなんです/カメムシタケ見つけた!/名前に「亀」が入っていないのは、絶対おかしい/なんだか急に、このお花がかわいそうになってきた/保護区の三冠王/隠花帝国/シダを見るとすぐに葉っぱをめくりたくなる/樹が一本、流れの中に倒れ込むだけで/いま、ササの花が咲いています/いやあ、地衣類ってアートだよなあ/森の下に、もうひとつの森がある/裏から見るとタコの脚みたいでしょ/夜叉の柄杓/ここの流れ、午後の光がすごくいいんです

 

第三回 秋元喜次

水中花って、なかなか珍しいですよね/大地のエネルギーみたいなものを感じませんか/ほぼ落葉広葉樹のみで構成されています/昆虫って、人間よりも目がいいんですよ/奥入瀬で避暑をしてるんです/フラクタル。実に、興味深いです/二〇年間も保存できる/自分が生える場所の好みがあるんです/あるがままに、そのままある/ここにはビーバーが棲んでいるの?/大洪水によって生まれた谷は、日本ではここだけ/奥入瀬一千年の森をつくってきたコケ/実はこれ、生殖器なんですよ/身の危険を感じたんでしょうかね?/触らないほうがいい、危険な植物/こういう景観って、ふつうのものではないんです/この落葉に秘密がある/これ、フジツボみたいな感じがしませんか/「おっ、チャンス到来だっ」/食べものを探すためには、色がわからなければならない/撃退用のスプレーは持ってきています/小さな海外旅行を楽しんでいるような/ここにドロノキがあるということは/ギルガメッシュ叙事詩

 

第四回 伊藤 宏

谷底の森は、地形と日照時間に大きな影響を受けている/輝き具合がナンバーワンなんです/ヤナギが教えてくれること/果実というより、なんだか卵みたいですね/クジャクシダに教えてもらったこと/人によって、この匂いの感じ方には結構違いがあります/あ、ザトウムシがやって来ました/森は「構造」を持っている/一個の果実から六〇〇枚もの種子/植えた記憶のないシダが突然出てきて/コケの巣の居心地は抜群じゃないかと思うんです/水の循環を考えながら、改めて森を眺めてみる/樹は寛大ですよね/樹幹に着生するというのは、なかなか難しい/環境に合わせ体を変化させていく